あるとくぺらせす

小説置き場

僕らの選択

歪みの国のアリス、「幸せの選択」のバッドエンドです。

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トカゲの夢

「歪みの国のアリス」カテゴリー「裁判の前に」の分岐点です。
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幸せの選択

 私は、あまり迷わなかった。迷うと、余計なことをたくさん考えそうになる。
 だから、後のことは何も考えずに、結論を出した。
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真実の法廷2

気づけば私は、お母さんと一緒に過ごした家の中にいた。
 ビルも女王様も、誰もいない。
 懐かしい自分の部屋の中、机に頬杖をついて、ぼうっとしていた。
 お母さんの機嫌、今日はよくなるといいな、とかそんなことを思っていたような気がする。
 しばらくすると、机の上に無造作に置いていた携帯がメールを着信する音を発した。
 親友かな、と思いながら二つ折りの携帯を開くと、差出人は「武村」となっている。
「…武村さん?」
 私は目を丸くした。珍しいな、武村さんがメールなんて…
 ボタンを操作して文面を読む。これからこっちに来るそうだ。変なの。どうして私に知らせるんだろう?
 もしかしたら、お母さんの携帯と間違えたのかもしれない。そう思うとおかしくて笑ってしまった。
 私は携帯を片手に部屋から出て、お母さんに見つからないよう、そっと家を出た。
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真実の法廷1

 私は、ぽかんとしてその文章を眺めた。
 …猫が誰かって…?
 ウサギや女王様は思いつくけど、猫…?
 これには困ってしまった。
 チェシャ猫が人間だとしたら誰かなんて、思い浮かぶはずがない。該当する人って、いる?
 私は眉間にしわをよせて、プリントとにらめっこをした。いくら睨んでいたってわかるはずがないのだけれど…
 悩んだ挙句、私はシャーペンを取り出して、こう書いてみた。
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裁判の前に

 夕食のカレーを食べ終え、なんだかんだとしているうちに、寝る時間になった。
 私はいつものようにチェシャ猫を枕元に置いて、ベッドに潜る。
 その時、ビルと出会ったことを話そうかどうか迷った。

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忍び寄る足音

 辺りはもう暗かったけれど、校庭のライトが照らされていたので、そんなに暗いとは思わなかった。
 門から一歩出るだけで、違う世界へ足を踏み入れたのだという錯覚さえする。
 武村さんは、その違う世界の住人で、私を迎えに来たかのように、立っていた。 
「武村さん…退院したの? 良かった…」
「ああ、連絡を取ろうにも、僕はどうも、君の叔父さんに嫌われているようでね、教えてもらえなかったんだ。だからなんとか君の通う高校を探して、今に至るというわけさ」
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崩れ去る日常

 今でもたまに夢を見る。
 私が小さい頃悲しみから逃れるために創り上げた国へ遊びに行く夢。
 仕立て屋のハリーくんは相変わらず私を食べようと舌なめずりをするし、あんぱんたちは「こしあんか、つぶあん、どっちだ!?」って詰め寄ってきて、私を困らせる。
 公爵夫人に食べられた廃棄くんも出てきて、私のぼんやりさを見かねて色々と突っ込みを入れてくれる。
 蛙たちはやっぱり忙しそうに料理を運んでいるし、公爵夫人は公爵の手の上からがつがつ食事が止まらない。
 みんな、変わらない。
 私の首をはねようとする女王さまも、帽子屋も、ネムリネズミも、みんな、みんな。
 でもその中に、いない人たちもいる。

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